健康保険や国民健康保険の被保険者等が出産した場合、出産育児一時金が支給される制度があります。
妊娠週数が22週に達しており、産科医療補償制度に加入している医療機関にて出産をした場合、出産育児一時金が満額支給されますが、この支給額が、令和5年4月1日以降の出産より、1児につき50万円に増額されております。(令和5年3月31日までの出産の場合は42万円でした。)
出産についての給付金(出産育児一時金の支給)については、出産日および出産の状況および医療機関によって支払い区分がありますので、支給金額の推移を含めて次の表をご参照ください。
(支給額表)
令和5年4月1日以降の出産の場合 | 令和4年1月1日から
令和5年3月31日までの出産の場合 |
令和3年12月31日以前の出産の場合 | |
産科医療補償制度に加入の
医療機関等で妊娠週数22週 以降に出産した場合 |
1児につき50万円 |
1児につき42万円 |
1児につき42万円 |
産科医療補償制度に未加入の
医療機関等で出産した場合 |
1児につき48.8万円 |
1児につき40.8万円 |
1児につき40.4万円 |
産科医療補償制度に加入の
医療機関等で妊娠週数22週 未満で出産した場合 |
出産費用の平均は40万円~50万円と言われていますので、多くのケースで自分の持ち出し費用は10万円程度で済むのではないかと思いますが、正常分娩であっても70~80万円程度かかるケースもあったり、出産に付随する費用で出費がかさむことが多々あったりするかと思いますので、出産育児一時金の支給申請は必ずするようにしましょう。
なお、事前に病院と確認した上で、直接支払制度(健康保険から医療機関に直接支払いする制度)が使える場合もありますので、出産時に必ず50万円以上もの大金を準備しなければならないとはいえません。出産費用については医療機関に相談すれば制度を教えてもらえることが多いので、事前によく確認しましょう。協会けんぽの制度概要については以下のリンク先をご確認ください。
子どもが生まれたとき
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3280/r145/
また、上記の出産育児一時金の他、自治体(各市区町村)によっては、別途祝い金支給制度やお祝い記念品贈呈制度などがある場合もありますので、お住まいの市区町村にご確認されてはいかがでしょうか。
当事務所では、健康保険給付の申請に関するご相談を承っております。出産で仕事を休業した場合、協会けんぽの出産手当金の支給申請ができますので、従業員の方が産休を取得される場合の申請についてご不明な点等のある事業主の方はお気軽にお問い合わせくださいませ。