2023年10月1日より順次各都道府県で最低賃金額の改定が行われました。
最低賃金額の全国加重平均時給額は、初の1,000円超えとなる1,004円となりました。
なお、加重平均とは、数値の持つ重み(偏り・バランス)を考慮して平均値を出す方法で、最低賃金額改定の加重平均額については、各地域の賃上げ額を賃上げの影響を受ける労働者数の重みを平均算出の計算に反映させ、各都道府県当たりの総合の平均値を算出する方法によって出されたものになります。
ちなみに、この方法は、データの数を単純にすべて足してから単純に総数で割る、いわゆる一般的な平均の求め方では平均値が著しく偏ってしまうような場合に、この算出方法が用いられることがあります。
さて、今般2023年10月の最低賃金額改定によると、全国1位の東京都の最低賃金額1,113円で、47位の岩手県の最低賃金額893円となりますが、この最低賃金額で週20時間ないし40時間働く場合に最低賃金額のボーダーはいくらになるか、時間給制の場合でのその目安を計算してみます。
月の週数を4.28週(1か月30日÷1週7日=4.285714週≒4.28週)とすると、
【時給制の場合】
東京都で働く場合
1,113円×週20時間×4.28週=95,272.8円
1,113円×週40時間×4.28週=190,545.6円
全国加重平均額で仮に働いた場合
1,004円×週20時間×4.28週=85,942.4円
1,004円×週40時間×4.28週=171,884.8円
岩手県で働く場合
893円×週20時間×4.28週=76,440.8円
893円×週40時間×4.28週=152,881.6円
以上のようになります。
これは、あくまで【時間給制の場合】でのシミュレーションですので、日給制の方や、月給制の方の最低賃金額が確保されているかの計算方法は、以下の厚生労働省ホームページ記載の情報をご覧ください。
最低賃金額以上かどうかを確認する方法
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-13.htm
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