政府や自治体の主導で始まった働き方改革ですが、最近は言葉としてよく耳にするようになりました。しかし、実際に働き方改革はどうすればいいのか?どう行っていけばよいのか?という疑問を抱え、実践に移れない企業も多いかと思います。ここでは前編・後編にわたり、働き方改革実行のヒントとなるポイントを列挙していきますので、御社の働き方改革にご活用いただければ幸いです。
働き方改革のキーワード① ~「棚卸し」と「見直し」~
働き方改革には、現状の業務分掌や業務フローなどを確認することが必要になります。業務の棚卸しをして、それが効率的なものかを見直すことで、ムダや偏りをなくすことができます。次に2つのポイントを挙げますのでご参考になさってください。
(1)業務の効率化(生産性向上)
…どういうことをすればいいの?
〇仕事の見える化
・いまの業務の洗い出しを行って、他の人の仕事の内容を知る。それを通して情報の共有や問題点の共有を行い、改善・効率化を図る。
・スケジュールや予定の詳細をホワイトボードなどに貼り出して、だれがいつどこで何をしているかをフィードバックする。
〇仕事の平準化
・誰かが休んでも代わりにできるようにマニュアルを整備しておく。
・みんなが1人2役のオールラウンドプレーヤーになれるように教育・育成する。
・休暇時や非常時等を考慮し補助要員として応援社員(パート・アルバイト)を増員する。
(増員して各人の仕事に余裕ができると今まで出来なかったことに着手でき、業務の質の幅が広がる。)
(2)労働時間削減・残業削減(ムダをなくして合理化)
…どういうことをすればいいの?
〇意識改革
・「残業すればいいや」、「あとでやればいいや」、「まとめてやればいいや」という考えをやめる。
・ムダなことはしないで効率的・合理的に仕事をするという意識を持つ。
(いまやっていることが本当に必要かどうか、今やらなければならないかを検証すること。)
〇整理整頓
・コピー機・キャビネット・机などの什器の場所を使いやすいように配置換えを行う。
・書類や事務用品・備品類を整理整頓して見やすく分かり易くする。
・使わないもの不要なものは迷わず捨てる。
・書類・ファイルの書式(フォーマット)の修正を検討する。(使いやすい書類・ファイルにして記入・入力の時間の削減を行う。)
〇休暇日をつくる
・有休消化の推進や計画的年休付与を行う。
・定休日をつくる。(シフトを組んで実質的な週休二日制の導入を行う。)
・新しい休暇をつくる。(バースデー休暇・アニバーサリー休暇・リフレッシュ休暇など)
〇ノー残業デーの設定
・週に1度ないし2度のノー残業デーを設置し、従業員にノー残業を徹底させる。
このように出来ることはたくさんあります。前編ではハード面(労働環境)での改善を中心にご提案しましたが、後編ではソフト面(人間関係)での働き方改革について提案しますので、そちらもご参考ください。