3月8日は国際女性デーでした。国際女性デーとは、国連が提唱・議決し、世界の多くの国で記念し制定されている女性の地位向上・差別解消を目指す日とされています。
その国際女性デーにあわせて、イギリスの経済誌「エコノミスト」が女性の働きやすさランキングを発表しました。そのランキングによると、2023年の日本の女性の働きやすさランキングは、29か国中の27位とのことでした。
※ランキングの対象国はOECD(経済協力開発機構)の加盟国のうち主要な29か国
さまざまなことにおいてジェンダー平等が目標とされる昨今において、あらためて日本における女性の労働環境や社会進出について考えるべきときに来ているのではないでしょうか。
エコノミスト誌のランキングでは、女性の労働参加率、女性の賃金額、女性と男性との賃金格差、女性の管理職の割合、産休・育休・看護休暇等の取りやすさなどが指標に影響しているとのことでした。
こと労働環境においても、いまだに昭和型の採用計画・職務の割り当て・賃金テーブルなどが採用されがちです。肉体的な性差の影響も少なからずありますが、出産・育児を経験することや子育てへの負荷の過多などにより昇進ルートから外れてしまいやすいことも考えられます。
財務省財務総合政策研究所によると、女性労働者の産後1年の賃金は、6割から7割も減少するという報告もあり、経済的な負担については女性だけが不利益を受けることがあるのだと見受けられます。また、男性の育休取得率も低く、出産だけではなく育児についても女性に負担が偏っている現実もあります。
そもそも、女性が働きやすい環境とは何なのでしょうか?いま、立ち返って考えてみませんか?
女性の正規労働者、女性の管理職・役員・経営者の割合が増えることも、もちろん必要であり大事なのですが、いままでの「ふつう」を転換し、会社における男性と女性の格差をなくすこと、賃金も含めて職務の平準化をすること、子育てに寛容な環境づくりをすることなども大切になるのではないでしょうか。
参考リンクを以下に示します。
男女共同参画局:国際女性の日
https://www.gender.go.jp/international/int_un_kaigi/int_iwd/index.html
財務総合政策研究所:仕事・働き方・賃金に関する研究会 報告書
https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2021/shigoto_report.html
ユニセフ:SDGs・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/5-gender/
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